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はじめに:「200社落ちた僕」が2年後にやっと腑に落とした言葉

サラリーマンの僕の失敗談

この記事を書こうと思ったきっかけは、毎朝通勤中に聞いているある人のYouTube Liveでした。
ただ、正直に言えば――その言葉が自分の中で「これだ!」と腹落ちしたのは、200社落ちて、派遣社員として就職して、さらに転職してから2年後のことです。

あの頃の僕は、とにかく受けて受けて、書類も面接も落ち続けていました。
「自分はもう必要とされていないのか…」と落ち込みながらも、どうして落ちるのか、本質がわからないままでした。

そんな僕の中で点と点がつながったのが、YouTubeで聞いたこの一言です。

「雇用する側は、あなたのことを“投資対象”として見ている。最初は、何もできないあなたに“お金を投じる”だけなんです」

それまでの僕は、就職を「雇ってもらうこと」としか考えていませんでした。
でも本当は、企業は年齢やキャリア、人柄を踏まえて「この人はいつから戦力になるか」「どんな価値を提供できるか」を冷静に見ているのです。

そして、**「この人にお金を払う価値があるかどうか」**を判断して、月給・賞与・手当という“投資”を行っている。
ここが腑に落ちていなかったからこそ、200社落ちてもなお、「自分の何が足りないのか」がわからなかったのです。


1. 企業は「あなたに投資している」|月給も賞与も“前払い”ではない

就職活動の本質は、「お金を払ってでも一緒に働きたい人を探す場」です。
企業はあなたを「雇ってあげる存在」ではなく、「投資先を見極める存在」。

例えば、年収600万円の人を雇う場合、社会保険なども含めると企業の負担は約800万円です。
つまり、企業はあなたという“人材”に対して800万円を投資するかどうかを見極めているのです。

この視点が抜け落ちていると、面接で「頑張ります」「やる気はあります」と言っても、投資判断には届きません。
僕が200社落ちた理由はまさにここでした。「なぜ自分にお金を払う価値があるのか」を自分の言葉で伝えられなかったんです。


2. 「自分の価値」と「価格」の関係を理解しないと、すべてが的外れになる

当時の僕は、
「自動車業界での経験があるから大丈夫」
「真面目に働いてきたから通用する」
と、自分の都合だけで応募していました。

でも企業からすれば、「この人を採用すると、具体的にどんな利益が生まれるのか?」が見えなければ、採用する理由はありません。
価値と対価の関係を理解していないまま応募しても、全部が的外れ。200社落ちたのも今となっては当然でした。


3. 「価値提供」は必要不可欠。ただし“奴隷根性”と混同してはいけない

会社からお金をもらっている以上、僕たちは価値を提供する責任があります。
パフォーマンスを出さずに「給料が低い」「休みが少ない」と文句を言っても、その不満は“提供できていない側”の都合かもしれません。

ただし、ここで危険なのが「価値を出さなきゃ」が暴走して奴隷根性になることです。

僕がそれを痛感したのは、資産家の秘書として働いていたときでした。
引っ越し作業に業者を手配し、予算内に収まるよう何度も交渉し、全力で対応しました。
業者もその努力を認めて動いてくれ、すべてをやり切ったとき、僕は「これは胸を張れる仕事だ」と思っていました。

ところが、ボスは仕上がりが気に入らないと言い出し、「賃金は払わない」と宣言したのです。
僕が「それでは契約上問題になります」と説得すると、返ってきたのは衝撃の一言でした。

「だったらお前が払え」

……結果、僕は自腹でその費用を支払いました。
数万円で済んだからよかったものの、もしもっと大きな金額だったらと思うとゾッとします。
あの時の僕は、「価値を出さなきゃ」と思うあまり、**“自分が損をすることすら当然”**と錯覚していたのです。

価値提供とは本来、お互いが得をするための行動です。
しかし奴隷根性は、「相手が満足するまで尽くす」ことが目的になり、自分の損失が前提になります。
そこに「対価」という視点が抜け落ちると、ただ“都合よく使われる人”になってしまうのです。

だからこそ、法が僕たちを守ってくれているのは「サボる権利」ではなく、「搾取から守る盾」としての側面です。
ここを勘違いすると、「価値を出す=我慢し続けること」と履き違えて、自分を壊してしまいます。


4. 希望年収の答え方は「なんとなく」で決めない|必ず“理由”を言語化しよう

就職活動でよく聞かれる「希望年収はいくらですか?」という質問。
ここで「今より少し上がれば…」などと適当に答えるのは、非常にもったいないです。

なぜなら年収は、企業にとっては**“あなたに投資する金額”であり、あなたにとっては“自分の価値に対する評価”だからです。
金額そのものよりも、「なぜその金額なのか」という
理由**を明確に語れることが大切です。

  • ✅ 自分の経験やスキル、成果からどう導き出したか
  • ✅ 同業界・同職種の相場と比較してどう考えるか
  • ✅ その金額をもらったうえで、どんな価値を会社に返せるか

こうした説明ができると、面接官の信頼感は大きく変わります。
そして、この検討はエージェントと一緒に進めるのが圧倒的におすすめです。
相場や交渉の余地はエージェントのほうが詳しいので、「腹落ちする希望年収」を一緒に言語化することができます。


5. 僕を救ってくれたのは“派遣”だった|価値と対価の再定義

200社以上落ちて心が折れかけていた僕を救ってくれたのは、意外にも「派遣会社」でした。
提示された条件は、年収600万円・月給36万円・家賃半額補助付き
さらに別の会社からは、月給40万円+引っ越し費用全額負担というオファーまで来ました。

正社員で落ち続けていた僕にとって、これは衝撃でした。
「派遣=下請けで安い」という思い込みが完全に崩れた瞬間です。

結果的には短期で離職しましたが、それでもあの派遣会社には今でも感謝しています。
「価値と対価をちゃんと見つめ直せ」という一番大切な気づきを、彼らが教えてくれたからです。


まとめ:「価値と対価」を腹落ちさせると、就職の景色は一変する

200社落ちた当時の僕には、価値と対価という視点が抜けていました。
でも派遣を経験し、転職を重ね、そして2年後にYouTubeであの言葉を聞いたとき、ようやくすべてがつながりました。

企業は“雇う”のではなく、“投資する”のです。
その投資に値する存在であると自覚し、対価と条件を冷静に見極める──それができると、就職活動の景色はまったく違って見えます。

就職活動は「落ちた数」ではなく、「納得できる交換条件を見つけられたか」で決まります。
そしてそれを見つけるには、「価値と対価」という視点を、自分の中でしっかり腹落ちさせておくことが欠かせないのです。


📌 教訓:キャリアアップしたければ、自分から価値を上げていくしかない。
あなたが提供できる価値を磨き、対価に見合う存在になることが、最終的に自分の望むキャリアをつかむ一番の近道です。ただし、こびる必要はありません。媚びへつらって好かれることと、価値を高めて選ばれることはまったく別の話です。

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