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正面衝突はドラマだけで十分|僕が実体験から得た教訓

僕自身のこと

はじめに|池井戸潤ドラマは憧れるけど

僕は池井戸潤さんのドラマが大好きです。
『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』『陸王』『下町ロケット』『ノーサイド・ゲーム』。
主人公がキーとなる人物を仲間にして、巨大な敵を倒す——その清々しい大逆転劇に何度も心を動かされました。

でも現実ではどうだったかというと、、、
見事に失敗でした。


ドラマと現実の違い

ドラマは「人が変わる」けど、現実は変わらない

池井戸作品では、当初敵だった人間が主人公の熱意に打たれて味方になることがあります。
でも、現実はそう簡単にはいきません。人は基本、変わらない。
その前提を持たないと、正面衝突はただの消耗戦になります。

けど、若いころ色々と虐められた僕は、この爽快感を見て、めちゃめちゃ憧れ、真似したいとよく思ったものでした。養分が逆転し、たくさんの仲間と笑顔でいる、という光景。

ドラマの「最終回」と現実の「明日」

ドラマは最終回で終わります。勝利すればハッピーエンド。
でも現実は翌日も仕事があります。
瞬間の勝ち負けより、その後の関係性の方がはるかに重要でした。


なぜ僕は正面衝突してしまったのか

僕は転職を繰り返してきました。15年近く勤めた会社もあれば、3か月で辞めた会社もあります。
正面衝突をやってしまったのは、長く勤めた会社でした。

勤め続けるうちに、仕組みや人間関係が見えてきます。
「自分が会社を動かしている」
「僕だからわかることを教えてやってるんだから従え」
そんな感情さえ芽生えていました。

実際、入社して5年ほどは“いじめられて育った”感覚で、どうしたらわかってもらえるかを必死に考えてきました。独学で「説得する技術」を身につけたのです。
その経験があったからこそ、「僕が言えば理解してもらえる」と思い込んでしまった。

前職で使えたやり方が別の会社でも通じると、自信も強まりました。
だからこそ「正面衝突でも勝てる」と錯覚していたのだと思います。

ワンチャン、新卒の新人なら染められたかもしれません。
でも、立場も価値観も固まった大人には通じない。
それが現実でした。


リーダーとして迎えた正面衝突

リーダーとしてプロジェクトを任されたばかりの頃。
僕は「部下を守る武闘家タイプ」と見られていて、自分でもそのイメージで動いていました。

だからこそ、他部署の人に反抗されたとき、感情が爆発しました。
会議でわずか10分ほどでしたが、完全に喧嘩になったのです。

僕は丁寧に説明した“つもり”でした。
それでも相手が絡んでくるので、思わず口をついて出た言葉は——

「お前、こんだけ具体的に説明したのにわからんとか、頭イカレてんのか!?黙ってろボケが!!!!」

会議室の空気は一気に凍りつきました。
これが、僕にとっての「正面衝突」の瞬間です。


正面衝突の代償

衝突の影響は、その場だけでは終わりませんでした。
一番ショックだったのは、部下との関係です。

大事に思っていた部下の相談が、明らかに減りました。
僕が守るつもりでやった行動が、逆に「怖くて相談できない上司」に見えたのです。

何日かして、ようやく本音を話してくれました。

「いきなり切れるとは思わなかった。変なこと言ったら殺されると思った」

衝撃でした。
その日のうちにチーム全員に謝り、とにかく丁寧に接することで、少しずつ信頼を取り戻しました。
退職時には円満に送り出してもらい、今も連絡を取る仲間もいますが……このときは本当に焦りました。


同じ経験をしている人は多い

今思うと、この失敗は僕だけの話ではないと思います。

  • 経験の多い人と少ない人の差
  • 長くいじめられて育った人とそうでない人の差
  • 相手や状況の違い

こうした個人差によって「正面衝突」の捉え方は変わります。
僕のように“説得で通じる”と思う人もいれば、最初から「距離を取る」と割り切る人もいるでしょう。

正面衝突は、その人が歩んできた道のりや価値観を反映する出来事でもあるのです。


僕がたどり着いた境地|アホとは戦わない

絡んでくる相手も、結局は僕と同じ。長く会社にいる以上、そんなに簡単に変わりません。

その後、僕は何度か転職を繰り返しましたが、どの会社にも「絡んでくる人」はいました。
後輩や新人の立場で、知識も経験も相手に劣る中、「この人を変えよう」と思うこと自体が無理筋だと気づきました。

だから僕は、こう考えるようになりました。

  • 邪魔をしてくるアホにはできるだけ関わらない
  • それでも人生はしんどくならない
  • むしろ関わらない方が、自分の心と時間を守れる

そんな時に出会ったのが『頭に来てもアホとは戦うな』という本です。
熟読する中で強い共感を覚え、このタイトルは今では僕の座右の銘になりました。


時間をどう使うかで人生は変わる

人間、いつかは必ず死にます。そして、一日は24時間しかありません。
だからこそ、限られた時間をどう使うかが大切です。

アホを相手にするのではなく、

  • 大切な人の役に立つ
  • 自分にとって有意義なことに時間を使う
  • 大切な人と楽しい時間を過ごす
  • 世の中のためになることを考える

そんな方向に、時間も脳も使った方が良いと今は思います。

特に「脳をきれいに保つ」ことを意識するようになったのは大きな変化でした。
昔の僕はイライラをため込み、ドライブでストレスを発散し、時にはスピード違反で捕まることさえありました。お金も心も溶かしながら生きていたのです。

今は違います。車をストレス発散の道具として所有することはなく、乗りたいときにだけ楽しく乗る。税金や維持費のストレスもなく、年収は下がっても生活の余裕を感じられるようになりました。


まとめ|あなたに伝えたいこと

こうして過去の痛みを経験値として生きていますが、この記事を読んでくださるあなたに伝えたいのはただ一つ。

「こうすると失敗に近づくよ」という選択肢を、僕の失敗で潰してほしい。
そして、あなたにはもっと良い生き方をしてほしい。

僕は失敗から「アホとは戦わない」という境地にたどり着きました。
あなたの時間と脳も、どうか大切に。

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