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立派な格言と行動、でも肝心なところが違った|信じすぎた僕の失敗談

副業② 資産家・社長秘書失敗シリーズ

この話は、いわゆる“口だけの人間”についてではありません。
実際、僕が仕えたその人は、言葉だけでなく行動もしていました。
実績もあり、周囲からの信頼も厚く、カリスマ性も本物だったと思います。

だからこそ、信じました。
でも――肝心なところが、違っていたんです。

僕は、立派な格言とそれに見合う行動を見せる人のもとで、3年働きました。
ところが、その“本物らしさ”の裏には、矛盾と支配の構造が潜んでいました。

この話は、「口だけの人」を責めるためではなく、
“一見本物に見える人”の中にある違和感を見逃さないための話です。

同じように「信じたい」と思っている誰かが、僕と同じ目に遭わないように。
そう願って、ここに書き残します。


理由|なぜ離れる決断ができなかったのか

こうした人のもとにいると、すぐに「おかしい」とは判断できません。
なぜなら、言っていることにも行動にも、ある程度の正しさがあるからです。

  • 実際に成果を出している
  • 周囲からの評価も高い
  • 時折、確かに救われる言葉をくれる

だからこそ、僕の判断は揺らぎました。
逃げようとすると「恩を仇で返す気か」と自分を責めてしまう。
教わった格言への感謝があるから、踏み出す勇気を失ってしまう。

この“後ろ髪を引く感情”こそが、最も危険だと今ならわかります。


実体験|格言と行動の裏で起きていたこと

僕がこの体験をしたのは、ある資産家の秘書として働いていた時のことです。
少し特異な形でそのグループに入り、最初は確かに多くを学びました。

その人は、立派な言葉を並べるだけではありませんでした。
実際に結果を出し、行動でも周囲を動かす人でした。だからこそ、信じるのは自然な流れだったと思います。

  • お金は感謝の流れである
  • 支出を下げて収入を守れ
  • 相手の立場に立ち、どうしたら喜ばれるかを考えろ
  • 職場はいつでも綺麗に整えろ
  • 借金は絶対にするな
  • お客様は安全第一でお連れしろ

どれも本当に正しいことばかり。
そして、それを行動で示す姿も確かにありました。

けれど、時間が経つにつれ、次第に“言葉と行動の焦点がズレている”ことに気づき始めました。

  • 資産家本人の言葉と、側近たちの指示が微妙に食い違う
  • 資産家のいない場所では、忠誠心が形だけになっていた
  • 現場では不誠実な人間が増え、内部の秩序が崩れ始めていた

最初は「どこの組織にも裏はある」と思っていた僕も、次第に笑えなくなっていきました。
格言が行動を伴っていたのは確か。けれど、その行動の「目的」がどこか違っていた。


転落の瞬間|“肝心なところ”のズレに気づいた時

3年が経ち、僕は海外の自宅で住み込み秘書として働くことになります。
誰もが「信頼の証」だと口をそろえましたが、そこからすべてが崩れていきました。

  • サービスや商品を受けた人たちが、むしろ不幸になっていくのを見た
  • 現場に筋の悪い人間が頻繁に出入りしていた
  • 叱責の言葉が矛盾しており、「考えるな」と言われた直後に「なぜ考えない」と責められた
  • 高熱を出しても休めず、危険なほどの労働を強いられた
  • 金銭のやり取りで一方的に責められ、多額を失った
  • そして最終的に、脅迫めいた言葉とともに解雇された

行動力のあるリーダーのもとで学んだはずが、最後に残ったのは恐怖と後悔だけでした。
この瞬間、僕ははっきりと悟りました。
「行動しているかどうか」ではなく、「何のために行動しているか」が大事なんだと。


教訓|信じる前に観察する勇気を

完全に矛盾のない人間や組織なんて、ほとんど存在しません。だからこそ、ある程度の忍耐や柔軟さは必要だと思います。

でも、もしその矛盾が“根幹を揺るがすもの”だったら、
逃げる準備をしてください。
あなたの良心や感謝の気持ちは、時に相手にとって最も都合のいい拘束具になります。

もう一歩踏み込むなら、
他者の意見を受け入れず、狭い世界で完結しているカリスマには初めから近づかない方が賢明です。
なぜなら、そこにある価値はあなたのものではなく、すべてその人のためのものだからです。

自分の価値は、誰かに与えられるものではなく、自分で生み出していくもの。
その価値を育てることが、誰かに支配されない生き方につながります。


もう一度、結論

僕は、立派な格言と行動を信じすぎた結果、人生の一部を壊しました。
でも、逃げることができた。それだけでも、今は救いだと思っています。

信じることは美徳です。けれど、信じる相手を誤ると、取り戻せない時間とお金を失います。
言葉と行動がどんなに立派でも、肝心なところが違っていたら、すべてが狂います。

どうか、自分の価値を見失わないでください。
あなたの人生は、誰かの格言のためにあるわけじゃない。

(注)この記事は個人の実体験に基づくものであり、特定の個人・団体を誹謗中傷する意図はありません。

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