健康で暇な貧乏は一番タチが悪い|42歳、2度目の一文無しになった話

健康で暇。そして、貧乏。

一見すると、そんなに悪くない状態に思えるかもしれない。
「時間があるなら何かすればいいし、健康なら働けるでしょ?」
そんなふうに軽く言われそうですね。

でも僕は
この3つが揃ったときの“地獄”を

経験しました。


海外からの帰国、そして無収入

当時の僕は、海外で資産家の秘書として働いていました。
ところがある日突然、「君はもう不要だ」と言われてクビ。
帰国を余儀なくさせられました。

それ自体は、悔しいことで、直後はショックでしたが、

冷静に考えると、何故か無能の烙印を押されたことが悔しかったのはありますが

我に返ったころには、すがりたいとも思いませんでした。

当時は、死ぬ気でやってやる、と思っていたので、クビ(=しね)と言われた際に、この世界での命は終わったと理解したからでしょうね。

帰国した際に、筆頭秘書さんからも

「うちの内部では働けないから、就職活動するなりして」と言われ、

「かしこまりました。ありがとうございました。」とAIより力ない返事をしたことを思い出します笑

しばらくすると元いたそのグループの人間から

「また単発ででもいいから手伝って欲しい」と連絡が来たこともありました。
でも、僕はすべて断りました。正確にはLINEをブロックしましたね。
従っていれば、またチャンスが巡ってくるのかもしれなかったけど。

もうひとつ、明確に理由があって

それは、他人に依存100%とした人生では、嫌われたときに自分に何も残らないことの恐怖を感じていたから、です。

だからそれが分かったとき、奴隷としてではなく一人の人間として自分の人生をやり直したかった。
一度捨てた会社員での働き方だけど、就職し直して、もう一度立て直したかった。

お金は大事なのだけど、お金に依存してきた失敗にようやく気付いた瞬間でもありました。


再就職の壁と、どん底の現実

この選択は間違っていなかったと今でも思います。
だけど、42歳・ブランクありの男が正社員として再び雇われるのは、甘くはありませんでした。

約200社に応募して、内定をもらえたのはたったの7社。
その中には、日雇いレベル・月収10万円以下の仕事すらありましたが
それすら落ちることもありました。

そして就職活動は毎日毎日結構な金額がかかりました。

面接に行くだけでもたくさんのお金が。。。
交通費、昼食代、スーツのクリーニング代、Web面接用のネカフェやカラオケボックスの部屋代――
何も得られないまま、わずかな貯金がじわじわとなくなります。

毎日1万円近くのお金が消えていきました。

「ただ就職したいだけなのに」
そう思いながら、膨らむのは焦りとストレスばかりの日々です。


自分でも引くレベルの1日

今でも覚えているのはこんなクズな一日。
朝に1社面接を受けたあと、風俗へ。
昼飯を挟んで、午後にもう1社面接。
そのあとまた風俗。
夕方にさらにもう1社面接して、夜はキャバクラで散財。

終わってます笑

でもそのときは、自分をどうにも制御できなくて
一日に面接を詰め込みすぎると否定の回数が多すぎて、癒してくれるような女性が話を聞いてくれるだけでギリ耐えれた感じでした。


派遣の内定と、実家からの脱出

そんな中でようやく、一社の派遣会社から内定をもらえました。

決め手は、家賃補助と引越し補助があること
これなら、実家を出られる。

とにかく、早く出たかった。
母親が明らかに疲れていたのにも気づいていましたし。

家賃も払わず、家の食費だけが一人分多く減っていく。
いつも不定期に、大人の男が転がっている生活。
掃除も手間も空気も、すべてが重くなっていました。

「そろそろ出ないと、さすがにまずい」と思いました。


引越し費用すら出せない現実

ところが問題は、引越しに必要な数万円すら手元になかったこと
生活を立て直すスタートラインにすら、立てなかった。

なんとか探し出した短期のデータ入力バイトで、ギリギリ引越し費用を工面。
そしてその頃、ふと気づいた。

僕は、人生で2度目の「完全な一文無し」になっていた。


本当に最悪だった

本当に、最悪な状況だったと思う。
1度目の一文無しを繰り返さないために、あんなに気をつけていたのに。
気づけばまた、同じ穴に落ちていた。


締めに:これは教訓じゃない。でも、もしあなたが

この話には、無理に「教訓」を押しつけるつもりはない。
同じ状況になる人なんて、そうそういないと思うから。

だけど、もしあなたが今――
MLMを命からがら抜け出した直後だったり、
無謀な夢に全振りして何もかも失った直後だったりするなら、
少しだけ、僕の過去が重なるかもしれない。

だから僕から伝えたいのは、たったひとつ。

無計画で無貯蓄で大きな夢を見ると、失敗したときに本当に苦労する。

だからまずは――
「1年くらい生きていけるお金」をつくってから動いてほしい。

1年生きていけるお金を計算してみたら

たぶん200万円~300万円になるかと思います。

持っていなければ
100万円の貯金を目指してほしい

「普通の働き方」で、無理なく、です。

100万円の貯金が難しければ

50万円貯めたら、100万円が見えてきて少し楽になります。

50万円貯めるのが難しければ

20万円貯めたら、50万円が見えてきて少し楽になります。

0からスタートだとしたら、その第一歩として、
最初の給料が入ったときに「10万円だけは残す」
そうすると、仕事に少しずつ慣れてきた頃には、自然と50万円近くは貯まっているはず。

生活レベルをすぐに上げずに普通に働けば1年以内に無理なく50万円くらいは貯めることができるようになるでしょう。

出来たときには
焦りに振り回されず、
怪しい話に引っかからず、
誠実な判断と選択ができるようになる。

恥ずかしいですが40歳を過ぎた僕が最近体験した境地です笑
防衛本能なのか何なのかはわかりませんが

コツコツ積み上げてきたお金をそんな簡単に失いたくないという感情が芽生えたのは感じます。

先に負けた者として、ここに残しておきます。
どうかあなたは、この選択になりませんように。

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