MLM失敗体験談第5話
「なんか、おかしくないか?」という違和感
最初は本当に素晴らしい仕組みに見えたんです。
商品の品質は(少なくとも表面的には)悪くないし、仲間も前向きで、支え合っていて、こんな環境が会社にもあれば…と思っていたくらい。
でも、ある時から、少しずつ違和感が募ってきたんです。
それは、「成功者」とされる人たちの発言と、現実の自分たちとの“温度差”でした。
口を揃えて言う「仕組みがすごい」
勉強会、セミナー、飲み会、Zoomミーティング。
とにかく、どの場でもトップ層は「この仕組み、ほんとヤバいから」「誰でも成功できる」と言い切る。
でも、ふと気づくんです。
誰でも成功できるなら、なぜ今もここで必死に走ってる人がこんなに多いんだ?
もちろん、成功には“時間”が必要だというのもわかる。
ただ、明らかに「出口が見えてる人」と「何周走ってもゴールが見えない人」が同じコースに立たされてる感覚だった。
仲間ができて、わかってきたこと
実際、日本人の仲間も少しずつでき始めて、毎日のように情報交換していました。
彼らは僕よりも行動力もあるし、求心力も高く見えました。
中には明るくて、誰とでもすぐに打ち解けられるような人もいて、美人な女性もいたし、正直、僕よりも“光って”いたと思います。
なのに。
みんな僕と同じ、もしくはそれ以下のランクのまま。
誰一人として、ダウンラインを付けられていない。
売上も伸びていない。
それでもなぜか、みんな前向きな態度で気丈に振る舞っているんです。
これは…どういうことだ?
リーダーたちは次々とタイトルが上がって表彰されていくのに、
僕たちは何も変わらない。
でも、ネガティブなことを口にするのはタブーな空気がある。
気づけば、その“空気”が僕らを支配していました。
「使ってるのか?」と聞けない商品
商品は「素晴らしい」と言われるけれど、本当にみんな“自分で使ってる”のかはよくわからなかった。
聞こうと思ったこともある。
でも聞けなかった。
なぜなら、そんな質問をすること自体が「信じていない証拠」になるから。
もっと活用すればよかったのか?と思って試したら…
ある時、ふと思ったんです。
「もしかしたら、僕は商品を活用しきれてないだけかもしれない」
「せっかくなんだから、海外旅行パック、使ってみようかな」って。
そう思ってサイトを開いた瞬間、違和感が走りました。
以前はもう少し選択肢があったはずの旅行プランが、
気づけば“都合の良い日程”や“人気の行き先”がどんどん減っている。
あれ? こんなに選べなかったっけ?
僕の記憶違い? それとも…?
仲間に連絡してみたら…空気が変わっていた
「せっかくなら、みんなで旅行でもしようよ」
そんな軽い気持ちで仲間に連絡してみたんです。
でも返ってきた反応は、なんとも言えない“冷たさ”でした。
あれ…?
なんか前みたいな感じじゃない。
なんとなく、みんなもう走りすぎて、疲れ果ててるような、そんな雰囲気。
誰も文句は言わないけど、楽しむ余裕なんてもうなさそうで。
「…あ、これもう、全然違うフェーズに来てるんだな」
と、空気でわかりました。
そして僕は「異変」に気づく
ある日ふと、気づいたんです。
僕が“信じていたこと”の多くが、「誰かの言葉」でしかなかったことに。
- 商品が素晴らしい(無在庫だし良いと思った、だけど)
- 仕組みがすごい
- 誰でもできる(スタートはできる。でもその先は)
- 時間をかければ必ず成功する(そうかも知れない、だけど気持ちが失敗に向かってしまう)
- 失敗したくないからセミナー参加しまくる(そもそも海外開催だから費用が嵩んで追い込まれる)
センパイにアドバイスを貰って納得したけどもう少し考えたら上記のような答えしか出てこない。
ふと振り返れば、死ぬ気で稼いだ残業代だけでは賄いきれないほどの支出額が襲い掛かってきていることに気づくのです。
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