大手メーカーへの転職で年収が下がった失敗談
1社目の限界を胸に、「次こそは条件も環境も良い会社へ」と思って臨んだ転職活動。
そして目に留まったのが、1社目の頃から取引していたサプライヤ──従業員8万人を超える大手メーカーでした。
ゴールデンタイムにTVCMを流し、業界でも存在感抜群。
「この会社なら間違いない」と、その勢いに魅了されてしまったのです。
しかし、この時すでに僕は重大な判断ミスをしていました。
それは──年収200万円ダウンのオファーを受け入れてしまったことです。
引っ越し代も転居費用もなし。それでも「この会社なら大丈夫だ」と思い込んでしまった理由は、勢いという曖昧な魅力だけでした。
当時は副業も投資も始めており、「動く価値がある!」と判断しての転職でしたが、この時点でまだ結果は出ていません。
もし副業や投資で安定した成果が出ていれば、それでもよかったかもしれません。
しかし現実はそうではなく──この最初の判断と行動が大手メーカーへの年収ダウン転職という、命取りの失敗になったのです。
大手メーカーに転職してすぐ感じた違和感
働き始めてすぐ、「あれ?」と思いました。
1社目よりも社員の平均年齢が一回り上で、全体的に古臭い雰囲気。
年寄りのため息、事なかれ主義、変わらない業務プロセス…。
外から見た華やかさとは裏腹に、内側は完全に昭和のまま止まっているような職場でした。
さらに、先輩社員のスキルは低く、老害的な存在が業務を妨害することも日常茶飯事。
「自分さえよければそれでいい」という空気に、精神的な摩耗は加速していきました。
大手メーカーの年収格差と構造的な落とし穴
そんな環境をさらに悪化させたのが、大手メーカー特有の構造的な問題です。
最近多くのメーカーで採用しているHD(持株会社)体制。
その傘下には複数の事業部や別会社がぶら下がっており、事業部ごとに力の差がはっきりあります。
しかし、入社時に配属先を選べることはほぼなく、面接でその点を突っ込んで聞かなければ、「聞かれなかった」という理由で弱小事業部に配属されるケースが多いのです。
僕もその例にもれず、入社直後から負け戦が確定していました。
配属先の事業部は待遇が明らかに低く、ボーナスは他の事業部より半期で1か月分、通期では2.2か月分も少ない支給額。
さすがにモチベーションは下がります。
しかも、その理由を察しているからこそ、「これは自分ではどうにもできない領域の問題だ」と痛感しました。
年収が下がった転職の末路と退職理由
入社して1年8か月ほど経った頃、東北地方への転勤打診がありました。
この時点で、外から見た勢いと中で味わう現実のギャップは完全に露呈し、「大手だから安定」という幻想は完全に消え去っていました。
転勤を受け入れる気力は残っておらず、退職を決断しました。
この失敗談から学べる教訓
- 会社の勢いだけで判断しない(広告や表面のイメージは当てにならない)
- 職場見学は必須(面接だけでは現場の空気はわからない)
- 年収ダウンの提示がある企業は受けない
- 月収と年収の内訳を正確に把握する(ボーナス重視の会社はリスクも高い)
- 配属先や事業部の力関係は必ず確認する(聞かないと弱い部署に飛ばされる可能性大)
- 引っ越しは会社から30分以内が原則(通勤時間の長さはストレスに直結)
- 次を決めてから辞める(精神的・経済的な安定のため)
まとめ 大手でも「どこでどう働くか」がすべて
今回の転職失敗談を振り返ると、条件面の悪化と構造的に弱い部署への配属が重なり、失敗はほぼ必然でした。
そして、わずか1年8か月での短期離職。
このパターンは、40代転職では特に命取りになる可能性が高いので、読者のあなたにはぜひ避けてほしいと思います。
大手メーカーで働く分、福利厚生や資本力など優位な面は確かにあります。
しかし本当に重要なのは、その会社のどこで、どのように働くかを事前にしっかり検討すること。
これからの時代は、自分で良し悪しを判断し、「自分はどうしたいか?」を問い、納得できる答えを導き出して行動する力が求められます。
大手だと逆に、自分自身が上から下まで見ろ!的なことを言われることもあり、ADHD発症へ向かってしまう危険性もあるのです。僕の場合は1社目からそうだったので、発症したんだと思いますが笑
それを痛感したのが、この第2社編──そして次に続く第3社編での経験でした。
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