今回こそは、泣き寝入りしたくなかった
僕には、短期間で辞めた会社が他にもありました。
そのとき、こんなふうに言われたことがあります。
「〇〇で働いてたくせに、そんなこともわからないの?」
経歴を盾にして否定される。
でも、肝心なことは言われない。
- 何がどう違うのか
- 何を求めているのか
- どこを直せばいいのか
そこは最後まで、はっきりしないままでした。
そして今回の職場でも、最初の指摘が妙に似ていたんです。
「入社面接のときに、経歴書に書かれていたことと違う」
また同じだ、と思いました。
違うと言うなら、何が違うのか。
どこが足りないのか。
なぜそう判断したのか。
それを言語にしないまま、
ただ“違う”だけが突きつけられる。
僕はこの構造に、覚えがありました。
解雇はショックではなく「空白」を生む
解雇された瞬間、人生は止まりました。
仕事が消える。
日常が消える。
予定が消える。
そして一番怖いのは、
自分の価値まで消えたような錯覚でした。
頭では「会社が異常だった」と思いたいのに、
心の奥では「自分が悪かったのかもしれない」と揺れる。
解雇って、そういう空白を生むんです。
感情より先に、現実が崩れます。
Self Scrap:まず自分の状況を解体した
僕はここで初めて、気づきました。
このまま感情だけで沈んでいたら、
また終わる。
過去もそうでした。
3年近く前、働かせるだけ働かせておいて
出来が気に入らないから切り捨てられたことがありました。
でもそのとき僕は、泣き寝入りで終わらせた。
労働契約も曖昧で、
会社と揉めることが現実に何が起きるか分からないくらい怖かった。
最悪、殺されるかもしれない。
本気でそう思うほど怖かった。
だから僕から身を引いた。
でも今回は違う。
こんな理不尽を、また繰り返すわけにはいかない。
そう力を込めて思いました。
そこで僕がやったのは、
強くなることではなく、整理でした。
Self Scrap。
自分を責めるためじゃない。
状況を解体するためです。
- いつ何が起きたのか
- 誰が何を言ったのか
- 評価が変わったタイミングはどこか
- 解雇までの流れはどうだったか
感情を一度横に置いて、
事実を並べる。
Scrapとは崩壊ではなく、棚卸しでした。
Build①:証拠と事実を積み上げ始めた
次に僕がやったのは、Buildでした。
正確には、これは会社にいて違和感を覚えたころからやっていました。
小さくてもいい。
積み上げるしかない。
- メール
- 面談記録
- 評価との矛盾
- 降格・解雇への流れ
僕は一つずつ拾いました。
会社の中では、
要求を言語化できない人間ほど強い顔をする。
難癖をつけるのは得意なのに、
自分の要求は言葉にできない。こういう上司や人間はまだまだ一定数いるようです。
要求を言語化できない上司については、別記事で詳しく書きました。
そしてある日、とんでもないことをやらかす。
僕をクビにするとか。
だからこちらは、
“言った言わない”ではなく、
残る形にするしかない。
Buildとは、戦える材料を作ることでした。
Build②:制度の側に回ると決めた
僕はずっと、強くなろうとしていました。
賢くなろうとしていました。
でも結局必要だったのは、そこじゃなかった。
守られる側に回ることでした。
個人の善意に頼っても、人生は守られない。
仕組みが機能する場所に移動するだけで難易度は変わる。
だから僕は、制度を使うと決めました。
労働審判。
弁護士への相談。
ここから先は、個人戦じゃない。
僕は情報の海で溺れていた
僕は違和感を覚え始めたあたりから
相当な本数のYouTube動画を見まくったと思います。
気が済むまで見まくりました。
- 労働問題
- 不当解雇
- 労働審判
- 会社との戦い方
- 会社はどういった主張をしがちなのか
世の中には、そういう動画がごまんとあります。
- 「証拠は積み上げておいた方がいい」
- 「録音しておいた方がいい」
- 「動画があれば最高」
- 「労働者は勝てるようになっている」
当事者になるまでは、こういう言葉が“簡単なセリフ”に聞こえます。
でも、当事者になると違いました。
テンプレにはならなかった。
参考にはなる。
でも、自分の状況にそのまま当てはまる答えはない。
じゃあ、「勝つ」とは何なのか。
「有利」とは何なのか。
お金を取れるチャンスとは何なのか。
- 僕には実際いくら必要なのか。
- 根拠はどこに置くのか。
- 会社は言い返してこないのか。
- 言い返してきたらどうするのか。
こういう問いには、一人ひとり答えが違う。
全パターンを網羅した動画なんて、まず存在しませんでした。
結局、最後は自分で言葉にするしかない。
自分の状況を、自分の表現で組み立てるしかない。
だから苦労もしたんです。
Build③:弁護士に相談できる形に整える作業をした
制度を使うと決めても、すぐに戦えるわけじゃありませんでした。
弁護士に相談するには、
こちらも「相談できる状態」に整える必要がある。
僕はそこから始めました。
まずやったのは、出来事を時系列に並べることでした。
- いつから評価が変わったのか
- 誰が何を言ったのか
- 降格や解雇の話が出たのはいつか
感情ではなく、順番です。
次に、残っている証拠を拾いました。
- メール
- チャット
- 面談の記録
- 会社の発言の矛盾
そして一番大きかったのは、
自分の中で争点を絞ることでした。
「ムカつく」だけでは戦えない。
問題は何なのか。
会社は何を根拠に解雇したのか。
手続きは正当だったのか。
先生が動ける形にする。
この作業をして初めて、
僕は“相談”ができる場所に立てた気がしました。
弁護士に相談するまでのハードルは高かった
正直、弁護士に相談するのは怖かったです。
そもそも弁護士に相談することが普通に生きている人間にはほとんどないですしね。
- どこまで話していいのか分からない
- 自分が悪いと言われたらどうしよう
- お金はどうなる
- そもそも受けてもらえるのか
情けなさもありました。
でも、ここで引いたらまた泣き寝入りになる。
弁護士相談は“相性”と“準備”だった
弁護士に相談する、と決めたあと。
僕はすぐに「この先生にお願いしよう」とはなりませんでした。
弁護士も人間です。
タイプがある。
そして僕自身も、最初から上手く相談できたわけじゃなかった。
ネットやYoutube動画に出ていた先生
地域に根差していて労働問題にも強そうな先生
弁護士会経由
などなどいくつか調べまくり、3回ほど、異なる法律事務所へ相談に行きました。
1回目:違和感
思いは伝えました。
でも、どこか違和感がありました。
諭すような説明が多くて、支払い体系の話も早い段階で出てきた。
僕が「会社に戻る気はない」と言った瞬間、
「それでは厳しいですね」
と言われた。
あとで言い直して、実際の話も聞けたけれど、
この人は僕を“諭しにくるタイプ”なんだな、と感じました。
2回目:収穫
1回目より、自分でも分かるくらい伝え方は上手くなっていました。
先生は優しい人でした。
でも正直、会社に対してもこの交渉力で大丈夫なのか?
と思ってしまった。
ただ、ひとつ収穫もありました。
「あなたみたいに整理して相談してくれる依頼者はやりやすいですよ」
そう言ってくれたことです。
相談の仕方は間違っていない。
それが分かったのは大きかった。
3回目:確信
2回目で足りなかったことをAIと振り返りました。
要求金額を“正当なもの”として訴えるために、
資料を作って説明できる形にした。
そして、サイトに書かれていた料金体系だと支払いが厳しいことも、正直に伝えました。
ここで初めて、
弁護士に正直に伝えるべきことと、
自分の要求を確実に届けること。
その両方を、意志を持ってできたと思います。
すると先生は初めて、親身になって聞いてくれました。
僕には正直ベースで向き合い、
会社にはある程度強気に出てくれる気概も感じられた。
このバランスが、僕にとってベストでした。
だから僕は、お金をすぐに支払って委任することにしました。
受任されるために必要だったのは“怒り”ではなく“整理”だった
弁護士に必要なのは、怒りの量じゃない。
争点です。
- 会社は何を根拠に解雇したのか
- 手続きは正当だったのか
- 評価の整合性はあるのか
- こちらの主張はどこか
先生が動ける形にする。
僕はここで初めて理解しました。
泣き寝入りしないとは、
叫ぶことではなく、整理して制度に乗ることだった。
受任された瞬間、初めて「戦える側」に立った
受任された瞬間、
僕は少しだけ呼吸ができました。
勝ったわけじゃない。
終わったわけでもない。
でも、もう一人ではなかった。
ここから先は、
会社と僕の「現実の交渉」が始まる。
締め:Self Scrap & Buildは、生き延びる技術だった
解雇は終わりではありませんでした。
壊されたあとに必要なのは、
強さではなく再構築でした。
Scrapして、Buildする。
自分を作り直す。
泣き寝入りを終わらせるために。
僕のSelf Scrap & Buildの日々は、
ここから始まったんです。
泣き寝入りを終わらせるために。
追記
この記事では、解雇された後の僕の気持ちと再構築の日々を書きました。
そしてもうひとつ、補足として残しておきたいことがあります。
戦うと決めたとき、僕が実際にやったのは「怒りをぶつけること」ではなく、弁護士が戦える形に整理することでした。
証拠の残し方、言動の整合性、会社の曖昧な言葉の分解法までまとめています。


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